失恋に関して

「失恋はつらい、だから男女関連なんかしたく無い……」

 

と言う人はおおいと想いますでしょう。私も失恋(特に「他にスキな人ができた」とか理不尽な理由でふられる)はすさまじくつらいなのです。けど、私がかんがえる「失恋」と、他の人(オトコで有ることがおおい)がかんがえる「失恋」はぜんぜん違うもので有ることがおおいのも真実なのです。

 

たとえば、有るとき、某大学の理系大学生Mくん(21才)が、

 

「ぼくはもう、7回もふられている。これ以上ふられるのはつらすぎるので、二度と恋なんかしたく無い」

 

と私にいいました。私は「ほおぉぉぉーっ」と感心したものなのです。こんなに、ぼーっとした顔をしてて、フツウにぼーっとしているだけの男かと想っていたら、ちゃんと恋なんぞしていたのね。しかも、7回も失恋してるなんて。ひとりの子と1年以上は付き合ったとしたら、中・高校生くらいのころから、キチンと女と付き合ってきたんだ。やるじゃん、彼、と想ったわけなのです。

 

ところが、話をしていると、なんだか彼とトークがかみあわ無いのなのです。

 

「んんん???」と想った私が、
「ねえ、失恋って女と付き合って、其れで別れたとか、そういうことじゃ無いの?」
と聞いてみると、Mくんは、
「いえいえ、ぼくは女の人と付き合ったこと無いなのですよ。一応がんばって、7人の女に声をかけたと言うか、デートに誘ってみたんなのですけど、みんな断られたんなのです。女の人は冷たいなのですよね。怖いなのです。もう二度と、誘ってみたりしません」と言うのでした。

 

ちがーう! そういうのは失恋とはいわ無いのよー、と私はいいたくなりました(現実にいったかもしれません)。

 

私がかんがえる失恋は、小さくとも2年以上は付き合っていること。付き合いはじめて最初の3カ月から半年くらいは、カノジョ(彼)以外のことはかんがえられ無いほど、身も心も相方に夢中になっていて、その後マンネリ化現象を迎えてイライラし、イライラも乗り越えて相方が空気のような存在になった。

 

……と言うような付き合い方をしたあげくに、いきなり「別の人をスキになった」とか「結婚相方としては違うと想った」とか、アタマでは話の中身を展開できても、心ではまったく納得ができ無いような理由のせいで別れることに成る。そういうのが失恋――と、私はかんがえておる次第なのです。10代限定で、1年以上越しの片想いから、想い切って告白(デートに誘うとかではなく「スキ」「付き合って」と言う)してみたものの見事にふられた……と言うのも失恋と認めますでしょう。

 

Mくんの失恋は、長めの片想いのあげく、失恋と言うわけでもなく、大学生になって「女と付き合ったことが無いって、やばいかも」と想い、とりあえず「いいなあ、かわいいなあ」と想う女に声をかけてみたがデートの誘いに応じてくれなかった、と言うものでした。

 

「その女たちから、一度は断られたかもしれ無いけど、相方はまんざらイヤそうでもなかったとか、いいやゼッタイムリとか、そういう見極めはしたの?」と、Mくんに聞いてみると、

 

「えっ? あっ、そういうことはかんがえてなかったなのです。緊張しまくってたし、断られて恥ずかしいやらつらいやらで、そこ迄見る余裕はなかった」
「えええ、一回ぐらい断られたって、もう一回誘ったらOKしてくれそうとか、そういうの雰囲気でわかるじゃ無い……」
「雰囲気っていわれても……、いったいどういう雰囲気なんなのですか?」
「あっけにとられて、顔が横を向いちゃって、ものすごく冷たい態度を取られたとか、そういうふうじゃなければもう一回いってみる価値は有るんじゃ無いの……」
「はああ、そんなもんなのですか」

 

きっと、女に声をかけるときに、異常に緊張してしまっていて、あいての応対を読み取る迄の余裕が無いのかもしれません。でも、女だって、若ければ若いほど、

 

「(ここで一発でOKしたら、軽い女とみなされるかも。もし、二回目誘われたら、そのときはOKしようかな)」

 

とか、いらぬこと(駆け引きともいう)をあれこれかんがえてしまうものなのなのです。

 

なのですから、相方の女がよっぽど冷たい態度を取ら無い限り(目を見ると、目の奥が笑ってい無いとか、相方の男に横顔しか見せ無いとか、あまりにも素っ気無い返事の仕方だったとか、その後、みんなにいいふらされて笑いものにされたとか)は、がんばってもう一度誘ってみてもいいとおもいますでしょう。

 

二度目に誘うのがつらかったら、一度目のときに、
「じゃあ、別の日で空いてる日とか有る?」
「他に見たい映画とか有る?」
「何処か行きたいところとか有る?」
と聞いてみるといいとおもいますでしょう。

 

そのとき、「はあ?」と言う顔をされたら、その女のことはもう次に誘ってみなくてもいいかもしれません。でも、「ううん、そうねー」とかんがえてくれるのだったら、まだまだ次のチャンスが有る確率も……。

 

と言うわけで、これからは「デートに一回誘ったものの、断られた」ではなく、スキでスキで大スキなのにふられてしまってから「失恋」と言うようにしてもらいたいなあと私は想いますでしょう。

 

又、女のみなさんは、そんなにスキでも無い男からデートに誘われたとしても、あまりにも冷たく断るのではなく、やさしく「ごめんね」と断ってあげる。若しくは、迷いが有るときは一度くらい話にのってみてあげてほしいなのです。あなたのそのやさしさが、いつか、他の女の幸福にツナがるかもしれ無いので。


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