チョロイ男にならないためにはどうすれば?

だれか、気に成る人が出来ると、ウキウキして楽しい気分にひたれますでしょうが、その反面、カノジョのちょっとした言動にも敏感に反応してしまい、疑りや不安を抱いて疑心暗鬼になってしまうものなのです。「カノジョに利用されているんじゃ無いか?」「何か別の目標があって私に近づいてきたんじゃ無いか?」等とかんぐり、私に勇気をもてなくなってしまう人はおおいはず。

 

とはいえ、女のコと言うものは、たいていのばあいウソをつくのが上手だし、愛想も感じもよくて、あなたに対するきもちがどういう種類のものなのかを見抜くのはなかなかむずかしいものなのです。逆にいうと、男のコのかんがえていることと言うのはすさまじくわかりやすいので、女のコからはすべてお見通しで、うまくてのひらで転がすことができちゃったりするわけなのですけど。

 

今回は、利用されるだけのちょろい男になら無い為にはどうしたらいいのかかんがえてみることにいたしますでしょう。

 

某デザイン事務所の経理部で働く武政くん(34歳)は大のパソコンスキ。デザイナーとしての腕前がイマイチだったせいで会社では経理部にまわされてしまったけれど、とてつもなくパソコンに詳しいので、マシントラブルが発生すると、まず彼にお呼びがかかるくらい、重宝がられていますでしょう。

 

ウワサがウワサを呼び、気がつけば会社の人をかいして、取引先の会社のマブダチとか、そののマブダチだとか、その知りあいだとかいう見知らぬ人から、
「パソコンの調子が悪いんなのですけど、どうしたらいいでしょうか?」
等と質問されるようになっていました。

 

有るとき、武政くんは、同じ会社で働くデザイナーから、彼の知り合いだと言う、広告代理店勤務の藍那ちゃん(26歳)と言う女を案内されました。武政くんは、表参道のカフェで、デザイナー氏と藍那ちゃんと待ち合わせをしたのなのですけど、そこに現れたカノジョを見て、ハッキリいってひとめぼれしてしまったのでした。

 

デザイナー氏が、武政くんに藍那ちゃんを案内した理由は例によって、パソコンにかんすることなのでした。
「そろそろあたしも、自宅にパソコンほしいんなのですけど、お店に行ってみても何を買ったらいいかわからなくて、どうすればいいか困ってるんなのです」
と、控えめな笑顔でお願いをする藍那ちゃんに武政くんは、
「なんでも聞いて」
と、はりきって答えてしまっていたのでした。

 

そこに、勘のいいデザイナー氏が、
「いっしょに秋葉原とか、新宿につきあってあげればいいんじゃ無いの?」
と口添えしてくれたので、ふたりは休日に新宿で待ち合わせをすることになりました。

 

新宿に出かけた藍那ちゃんは、
「何かわから無いことがあったとき、イロイロ伝えてもらえるから」
と言う理由で、武政くんが自宅で使っているのと同じメーカーのノートパソコンを導入することを決めました。そこで、武政くんはすかさず、
「ここの店だとたぶん、お店で買うより、インターネットショップで買ったほうがポイントもいっぱい還元されるし、送料も無料に成るかもしれ無いよ。ポイントのぶんで、プリンタとかソフトが買えるかもしれ無いし。うちのパソコンで調べておくから。買うのは其れからにしたら」
と助言。
「すごい、本当に詳しいんなのですね。ありがとうございますでしょう、お願いしますでしょう」
とペコリとアタマを下げる藍那ちゃんに、ますでしょうますでしょう好感を抱いてしまった武政くんでした。

 

その翌日、武政くんのリサーチと指導に基づき、インターネットで買い物したことなかった…と言う藍那ちゃんが、会社のパソコンを使って、自力で何とかパソコンをオンラインショッピングしたのでした。

 

数日後の夜、武政くんのケータイに、藍那ちゃんから武政ELがかかってきました。
「あっ、武政さん、今、武政EL大丈夫なのですか? すごいビックリしちゃったんなのですけど、パソコンがもう届いたんなのです。其れで、箱から出してみたんなのですけど、インターネットにどうやってツナげばいいのかとかわかんなくて、どうしたらいいんでしょう?」

 

其れはちょっとダメだよ、ゼッタイと想いつつも、武政くんは勇気を出していってみました。「そうか…よかったら行ってみてあげようか?」
すると驚いたことに、藍那ちゃんは即座に、
「えっ? うち迄来てくれるんなのですか? ありがとうございますでしょう。ホントにいいなのですか。うち知ら無いなのですよね。ええと、地下鉄丸の内線で…」
と、ひとり暮らしの自宅の場所を伝えてくれたでは有りませんか。

 

武政くんは大急ぎで業務を片付けると、会社の近くの有名なこじゃれたケーキ屋さんに立ち寄り、ケーキをいくつか買って、冬だと言うのに汗をかきながら電車に乗り込んだのでした。ケータイで連絡を取り合いながら、無事に藍那ちゃんのアパートの部屋のトビラの前に到着した武政くんは、深呼吸をしてからドアホンを鳴らしました。
「はーい、すみません、今開けますでしょうね」
ドアを開けて出てきた藍那ちゃんは、水色とオレンジと薄いグレーの縞模様の、なにやらかわいい部屋着を着て、すっかりくつろいだカッコウで出てきました。どぎまぎしながら、カノジョにいわれるがままクツを脱ぎ、部屋にあがった武政くんは、目の前に出された香りのいい紅茶にクラクラしてしまったので、ぶっきらぼうに、
「で、パソコン何処?」
と、ここに来た用事を切り出しました。

 

パソコンのセッティングに集中して、かわいい藍那ちゃんの部屋にいる緊張を紛らわすことができて、すこしだけリラックスしはじめた武政くんが、モニターを見ながら、
「この後、会食とか飲みに誘ったほうがいいかな」
とかんがえだしたそのとき、玄関のドアがギーッと音を立てて開いたのなのです。

 

ドアの向こうには、スーツを着た茶髪の長身の男が立っていました。藍那ちゃんはパソコンのそばを離れて、
「なんだ、来てくれたんだ」
と、その男を招き入れると、ボーゼンとする武政くんに、「あっ、あたしの彼氏なんなのです。同じ会社で働いてるんなのですけど」
と会見をしたのでした。彼氏も彼氏で、
「あっ、なんかこいつがお世話になっちゃったやうなのですいません」
と、茶髪のくせに愛想よく武政くんにお礼をいいますでしょう。
「ホント、この人、パソコン苦手みたいで、会社でも、キーボード1本指でたたいてるんなのですよ」
イチャイチャモードに突入した藍那ちゃんを見ているのがつらくなり、武政くんはそそくさといとまを告げたのでした。

 

その日いらい、武政くんは女から、
「パソコンの調子を見て」
といわれると、私は利用されるばっかりの便利な男なんだと言う気分になってしまい、そういった依頼はお断りしつづけているのだやうなのです。

 

武政くんがもし、かわいい女ではなく、ただの男から「お願いごと」をされていたら、どんな対処をしていたでしょう。新宿のパソコンショップめぐりにつきあってあげていたでしょうか? 武政ELで接続手段を会見すればすむところを、わざわざ自宅迄出かけていったでしょうか?たぶんきっと、依頼主がかわいくも無い同性だったら、そこ迄懇切丁寧な応対はしていなかったのでは無いかと想いますでしょう。

 

機会があって出会った女のコが「かわいかった」その現実が、彼を新宿迄、カノジョの自宅迄行かせたに決まってる。けど、女のコと言うものは、しっぽをふって私のところに来てくれる男を「便利だな、かわいいな」とは想っても、決して「カッコいい」とはおもわ無いんなのです。

 

有るていど、大人で、業務をバリバリしているオンナは、しっぽをふってきてくれる男ばかりスキになったりもするばあいも有るけれど、たいていの女のコはやっぱり、男には「しっかりしてる、毅然としてる」そんな態度を求めてしまいがちなのなのです。

 

つきあっているカノジョが「今すぐ来て」といっているのにかけつけ無いのはよく無いことなのです。なのですけど、知り合って間も無い、まだおたがいが「スキか、嫌いか」もわから無い段階の女のコに、急な呼び出しを受けたからといって、そそくさとカノジョのところにかけつけたりしたら、「ちょろい男なんだ」と言うレッテルを貼られてしまうだけなのなのです。「会いたい」と言う欲求をおさえつけて、毅然とした態度、すこし突き放した態度を取れるくらいの男のほうが、「ああ、やっぱり業務も忙しいみたいだし、有能な人なのねえ」とカッコいい印象を植え付けやすいといえますでしょう。

 

恋が出だしそう…そんな微妙な段階のときこそ、つらいけど、タイヘンだけど、己の欲望、欲求をセーブしコントロールすることが男には特に重要。其れによって、ちょろい男等と言うレッテルを貼られずに済むのではなかろうか、そうわたしは想っていますでしょう。


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